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                                        2015/06/7の礼拝説教
  正しい良心

   第一テモテ1:18〜20
   
                   皆川尚一牧師
 わたしの子テモテよ。以前あなたに対してなされた数々の預言の言葉に従って、この命令を与える。あなたは、これらの言葉に励まされて、信仰と正しい良心とを保ちながら、りっぱに戦いぬきなさい。ある人々は、正しい良心を捨てたため、信仰の破船に会った。その中にヒメナオとアレキサンデルとがいる。わたしは神を汚さないことを学ばせるために、このふたりをサタンの手に渡したのである(第一テモテ1:18〜20)。

将軍と部下

 使徒パウロは《18節》で弟子のテモテに対してこう言っています。
 「わたしの子テモテよ。以前あなたに対してなされた数々の預言の言葉に従って、この命令を与える。あなたは、これらの言葉に励まされて、信仰と正しい良心とを保ちながら、りっぱに戦いぬきなさい」
と。パウロはこれまで弟子達に対して「命令する」という言葉をあまり用いないで、「勧める」という言葉を多く用いて来ました。それは相手の自由意志を尊重する謙虚な気持から出たものです。しかし、ここではテモテに対して、あたかも将軍が部下に命ずるような権威をもって「命令する」と言うのです。なぜでしょうか。それは神の預言に基くものだからです。これまでパウロはテモテの頭に両手を置いて按手して預言しました。それは神様からの個人預言でした。ですから人間的な権威ではなく、神の権威によって、その預言に従うように命じたのです。これは大切なことてす。使徒だけでなく、牧師と信徒の間柄であっても、神の権威によって命ずることがあります。戦後の日本のクリスチャンは軍隊がなくなり、民主的になって、命令したり、されたりすることがほとんどなくなりました。これは不幸なことです。軍隊が無くても、例えばスポーツの世界では監督は選手たちに命令し、選手はそれを守って戦うことによって勝つことが出来ます。この世界には、神様の立てられた秩序があり、上下関係があります。神の権威に従うことが正しい良心の基準なのです。従って、神様への信仰があって初めて正しい良心が働きます。また、この世は神と悪魔との霊の戦いの戦場ですから、わたしたちは神様のみ言に絶えず聞き従って、自分の霊的判断を間違わないようにしなければなりません。

信仰の破船
 その実例として、パウロは2人の人物を挙げています。
 「ある人々は、正しい良心を捨てたため、信仰の破船に会った。その中にヒメナオとアレキサンデルとがいる。わたしは神を汚さないことを学ばせるために、このふたりをサタンの手に渡したのである」
 この正しい良心を捨てた人々の実例としてヒメナオとアレキサンデルとが挙げられています。
 ヒメナオは《第二テモテ2:17〜18》にも出てきます。彼は「復活はすでに済んでしまった」と言って人々を惑わせました。それはキリストの復活のことではなく、クリスチャンの復活のことです。彼の考えでは、《人間はイエス・キリストを信じてバプテスマを受けた時に、霊的に復活したのであって、体の復活は無い」というのです。使徒信条では「からだの甦りを信ず」と告白していますから、ヒメナオの信仰は間違っているわけです。
 また、アレキサンデルという人は《第二テモテ4:14》にも出てくる銅細工人アレキサンデルと同一人物だと思われます。彼が何をしてパウロを大いに苦しめたのかは具体的に書いてありませんが、「苦しめた」というギリシャ語「エンデクヌミイ」は「ある人の不利になる悪い情報を流す」という意味があります。だから教会や政府の長官にパウロを中傷したのだと考えられます。そのことによって正しい良心の拠り所である信仰を失ったのです。彼らは神の声よりも自分の判断を優先したのです。

サタンに引き渡した
 パウロは「このふたりをサタンの手に渡した」と宣言しました。これは恐ろしい言葉です。その意味は二つ考えられます。
  〈1〉教会から除名・追放し、世俗的な生き方をするに任せた。
  (2)彼らが既にサタンに身を任せて悔い改めないので、サタンに任せ    た。
 いずれにしても、彼らが救われるまで祈り続けるのではなく、いつの日にか苦しみの中で自分の罪に目覚めて救いを求める日を待つことにしたのでしょう。正しい良心とは神様からの啓示と信仰に基くものです。何か善であって、何が悪であるかは、神様だけがご存知です。だからわたしたちは人の非難・中傷にではなく、聖霊の示しに常に目覚めて正しい良心を働かせて生きようではありませんか。アーメン、                   
次回予告 15.06.14  とりなしの祈り(第一テモテ2:1〜3)


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