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                                            2012/1/29の礼拝説教
同胞愛に目覚める

出エジプト2:11〜15
ヘブル11:24〜26
マタイ10:5〜7                  皆川尚一牧師
王子としての成長
  モーセが成長して後、ある日のこと、同胞の所に出て行って、そのはげしい労役を見た。彼はひとりのエジプトびとが、同胞のひとりであるヘブルびとを打つのを見たので、左右を見まわし、人のいないのを見て、そのエジプトびとを打ち殺し、これを砂の中に隠した。次の日また出て行って、ふたりのヘブルびとが互に争っているのを見、悪い方の男に言った、「あなたはなぜ、あなたの友を打つのですか」。彼は言った、「だれがあなたを立てて、われわれのつかさ、また裁判人としたのですか。エジプトびとを殺したように、あなたはわたしを殺そうと思うのですか」。モーセは恐れた。そしてあの事がきっと知れたのだと思った。パロはこの事を聞いて、モーセを殺そうとした(出エジプト2:11〜15)。

  ここには簡単に「モーセが成長して後」と書いてありますが、40年の歳月が流れています。この間にモーセがどんな成長の仕方をしたのか、あまり詳しい資料がありません。使徒行伝のステパノの演説の中には、
 「モーセはエジプト人のあらゆる学問を教え込まれ、言葉にもわざにも力があった」(使徒7:22)と記されているので、イスラエル民族の中ではヨセフスの「ユダヤ古代誌」など色々な伝承があったことと思われます。 かいつまんで言えば、モーセはエジプトの王宮で王子として帝王学を学びました。将来帝王となるに相応しく神話・宗教・歴史・経済・天文・地理・生物・鉱物・土木建築等のあらゆる学問を学び、武術の面では剣術・槍術・弓術・馬術・水泳・格闘技等です。また、エジプト軍の最高指揮官、エチオピア遠征軍の総司令官となり、エチオピアまでの道に潜む毒蛇の群れを鳥によって滅ぼす奇策が成功してエチオピアを征服することが出来ました。こうしてモーセが文武両道の達人となり、大軍団を指揮する能力を身につけたのは、ユダヤ人をエジプトから脱出させて、カナンまで導く下準備となりました。

同胞愛に目覚める  
  ところが、モーセは40歳になった時、自分がイスラエル人であることを知りました。それまでは自分をエジプト人だと思っていたので、大きなショックを受けました。どのようにして知ったのか、詳細を記した文献は分かりませんが、映画「十戒」ではモーセの産着(うぶぎ)が出てきたことになっています。王女がモーセを川から助け出したとき、王女の侍女頭をつとめる女性が産着を素早く自分の懐に隠しました。そして、40年後モーセが王位に即くのを妨げるために産着を出したというストーリーになっています。
  モーセは産着を見て、自分がイスラエル人であると悟るや、直ぐに家族に会いに行きました。母のヨケベデ、姉のミリアム、兄のアロンと会って家族愛の絆を確認し、王子の衣装を脱いで奴隷の服に着替え、自ら奴隷となって同胞イスラエル人の仲間となり、重労働に服しました。彼は家族愛を通して同胞愛に目覚めたのです。《ヘブル11:24〜26》を見て下さい。
  「信仰によって、モーセは、成人したとき、パロの娘の子と言われることを拒み、罪のはかない歓楽にふけるよりは、むしろ神の民と共に虐待されることを選び、キリストのゆえに受けるそしりを、エジプトの宝にまさる富と考えた。それは、彼が報いを望み見ていたからである」。

思慮なき行動  
  モーセが同胞愛に目覚めて起こした行動は思慮のないものでした。彼は同胞がエジプト人の労働監督から虐待されるのを見て怒りに燃え、衝動的に監督を殺してその亡き骸を砂の中に隠しました。しかし、ふたりのヘブル人が争っているのを仲裁しようとして、悪い方の男を諫めると、その男は反発して言いました、「だれが、あなたを立てて、われわれのつかさ、また裁判人としたのですか。エジプト人を殺したように、あなたはわたしを殺そうと思うのですか」。モーセは恐れました。そしてあの事がきっと知れたのだと思いました。やはり、そうだったのです。パロはこの事を聞いて、モーセを殺そうとしました。
  これはただ思慮が足りなかっただけではなく、まだ神様の召命とお導きがないのに行動したから失敗したのです。

わたしたちの同胞愛  
  ここで、わたしたちの同胞愛について考えて見たいと思います。わたしたちはクリスチャンになって天国に国籍を持つ人になりました。それゆえいつ死んでも安心だから日本の事はどうなっても良いとは言えませんね。わたしたちの体も家族もこの日本国にあります。そして日本国家の一員としての責任がありますし、同胞に対する愛情があります。命がけで家族を守り、国を守る精神を持つことを神様は喜ばれます。自分の幸せだけを求めて国を捨てることは喜ばれません。
  海外に出て色々な国を廻って見ると、日本に対する愛情が湧いてきます。また、東日本大震災が起ったために家族・親族・友達・その他被災者たちに対する愛情と責任感が呼び覚まされました。日本人は同胞愛に目覚めたのです。これは神様の御心であります。この同胞の救いのために、「我なにをなすべきか」を真剣に祈り求め、神の召命に従って行動し
ようではありませんか。                         アーメン

次回予告 12.2.5 逃亡者となる(出エジプト2:15〜22)

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