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                                            2012/9/23の礼拝説教
あなたの神

出エジプト20:1〜3
ピリピ4:19〜20
ルカ10:25〜28               皆川尚一牧師
モーセの十戒
神はこのすべての言葉を語って言われた、「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。
 あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない」(出エジプト20:1〜3)。

 ここにはいわゆる「モーセの十戒」と呼ばれる神の戒めが記されています。これは人間が、神様に対し、また人間に対して守るべき基本的な正義の基準を示したものです。

 ところで、アメリカのハーバード大学で最も人気のあるサンデル教授が、「正義について語ろう」という本を出していますが、「正義とは何か」を様々な角度から考えた結果をこう結論付けています。「正義とは、我々が所属している社会共同体(コミュニティー)の大多数が正義と認めることである」と。これは簡単に言うと、「多数決で決まる」ということです。別の言葉で言えば、「みんなが正しいと思うことが正しく、皆が間違っていると思うことが間違っている」ということになります。つまり、これが民主主義的正義というものなんですね。これでは、アメリカの正義、日本の正義、中国の正義がみな違うことになります。

 モーセの十戒は、イスラエルの人たちがみんなで決めたことではなく、神様が決めたことです。民主主義ではなく、神主主義です。神様に対し、ほかの人間に対して、人間が守るべき正義の基準を神様はお示しになりました。つまり、人類全体が守るべき正義の基準です。

神に会う備え
 神様の啓示を受けるには準備が要ります。第19章でモーセはイスラエル人が3日にわたり心と体を清め、衣服を清めて神様の前に出るよう命じました。3日目にシナイ山の山頂は厚い雲で覆われ、雷鳴と稲妻がとどろき、天使のラッパが鳴り響きました。民は神様が天から下ってこられたのを感じて恐れおののきました。神様の神秘的な栄光はわたしたちを圧倒するのです。人はしばしば神の出現を見て死んだようになったと聖書に書いてあります。それと同時に、その聖なる恐るべき神様が私たちのお父さんであるとイエス様は教えて下さいました。
       
あなたの神
 出エジプト記第20章の第2節を見て下さい、
 「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である」
 これはイスラエル人に愛情こめて語る神様の御声です。数々の奇跡を現わして、あの惨めなエジプトの奴隷の境遇から救い出して下さった神様の恵みをイスラエルは忘れることが出来ません。
 神様は、「わたしはあなたの神だ」とひとりびとりに優しく語りかけているのです。「あなたがたの」神でなく、「あなたの」神です。個人的な「わたしの」神様なのです。

神への忠誠
 次に第3節を見て下さい。
 「あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない」
 この「〜してはならない」とは、ヘブライ語の動詞の未完了形なので、強い禁止ではなく、「当然〜〜する、〜しない」訳すのが適当であります。従って下記のように訳します、
 「あなたはわたしのほかに、なにものをも神とはしない」
 エジプトの奴隷の境遇から救われるという特別な恵みを受けたのだから、わたしだけを神として拝するのは当たり前のことである。これは天地創造の神様に対するひとすじの忠誠を望む愛のお言葉です。

あなたの神は父
 イエス様は「天地の主なる父よ」と呼んで祈られました(ルカ10:21)。天地万物を生み、わたしたちを生んで下さった真のお父さんはただお一人です。神に背いていた罪と死と滅びの中から、独り子イエス様の十字架の犠牲を通してわたしたちを贖い、救って下さったのは天のお父さんだけです。その救いの力は昔も今も変りません。

 大東亜戦争が終わった時、日ソ不可侵条約を一方的に破棄したロシア軍が満州に侵入してきて60万の日本軍をシベリアに俘虜として拉致しました。そのころ承徳の町にもロシア軍が来て、400名の日本の婦女子をロシア兵の慰みものにすることを要求しました。日本人引揚者の団長と通訳だけが男でした。団長は女子の中からキリスト教伝道師山田晴枝先生を呼び出して、通訳と3人でロシア軍の司令官の部屋に行きました。山田先生は体がガクガク、脚もガクガク震えて入り口に入ろうとしたとき、目の前に十字架がパッと立ったのです。それを見たらピタッと震るえが止まりました。そして、司令官の質問に対して少しも恐れず、本当の事をみな答えました。それを見ていた団長と通訳とは、キリスト教の信仰に感動して司令官に言いました。「もし、女を出せと言うのなら、先ず我々男子を殺してからにしてほしい」と。司令官は「分かった、それではこっちに来い」と言うと、二人を外の池のほとりに並ばせ、拳銃を突きつけてカチカチ鳴らしました。「これでよし。わたしは日本男児の死を恐れない魂に感動した。皆を無事に日本に帰してやろう」と言ってくれたそうです。

 ですから、皆さん。あなたも、わたしも、天のお父様と御子イエス様に忠誠を尽くして従って行こうではありませんか。
                                    アーメン
次回予告 12.9.23 偶像を拝むな(出エジプト20:4〜6)

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