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                                            2012/6/3の礼拝説教
主の信任状

出エジプト7:8〜13
Uコリント3:1〜3
ヨハネ14:10〜12               皆川尚一牧師
主の信任状
  主はモーセとアロンに言われた、「パロがあなたがたに、『不思議を行って証拠を示せ』と言う時、あなたはアロンに言いなさい、『あなたのつえを取って、パロの前に投げなさい』と。するとそれはへびになるであろう」。それで、モーセとアロンはパロのところに行き、主に命じられたとおりにおこなった。すなわちアロンはそのつえを、パロとその家来たちの前に投げると、それはへびになった。そこでパロもまた知者と魔法使いを召し寄せた。これらのエジプトの魔術師らもまた、その秘術をもって同じように行った。すなわち彼らは、おのおのそのつえを投げたが、それらはへびになった。しかし、アロンのつえは彼らのつえを、のみつくした。けれども、パロの心はかたくなになって、主の言われたように、彼らの言うことを聞かなかった(出エジプト4:27〜31)。

  主ヤーウェがモーセに言われた「不思議を行って証拠を示す」というのは、外交使節が信任状を提出するのと同じ意味だと思われます。
 そもそも「信任状」とは、本国の元首から相手国の元首に宛てられる外交文書で、「○○を特命全権大使として任命した」ということが記されています。大使は任地に到着して、相手国元首に信任状を提出し、それが受理されてから正式に職務が始まるのです。
 例えば、日本国の場合はタイ国からの特命全権大使が日本に来ると、天皇陛下に拝謁してタイ国王の信任状を捧呈する儀式を行い、それが受理されてから、正式に職務に就くというわけです。

不思議を行う
 では、モーセの信任状とは何かと言うと、それは文書ではなくて、不思議を行うことでした。不思議とは人間わざではなく、神わざ、つまり奇跡を行うことです。それが、主ヤーウェがモーセを特命全権大使に任命した証拠となります。

つえを蛇に変える
 主はそれを良く存知でしたから、あらかじめモーセにそのやり方を示しておいでになりました。ここに記されている通り、モーセに命じられたアロンがパロとその家来たちの前で、神のつえを王宮の床に投げました。それは蛇に変りました。
 するとパロは魔術師たちや知者たちを召し寄せ、魔術師たちは自分のつえを床に投げてへびに変えました。これだけでは、主の信任状にはならなかったと見えました。しかし、アロンの投げたつえの蛇は他の蛇たちを飲み込んでしまったのてす。これは、主ヤーウェの力がエジプトの神々や霊たちよりも優っている証拠であったのに、パロは心を頑なにして認めませんでした。

九つの奇跡
 そこで主は九つの奇跡を次々に行うようモーセに命じられました。これは、8章から10章まで間に記されていますが、詳しく説明すると長くなるので、一括して説明します。

 第一の奇跡は、神の杖でナイル川の水を「血」に変えた。すると、ナイル川だけでなく、エジプト全国のあらゆる水が血に変わったので水が飲めなくなり、七日間続いた。しかし、魔術師も同じような奇跡を行った。(これは理屈に合わないことで、エジプト中の水が血になったならば、魔術師はどこからまだ血に変らない水を見つけたのか、という疑問が生じます。しかし、聖書にはしばしばある「言葉のあや」として、気に留めない方がよいでしょう。パロは頑固にこの奇跡を見ても主に従わなかったのです。

 第二の奇跡は、ナイル川から無数の「かえる」を登らせて、エジプト中はかえるで満ちた。家の中、宮殿の中、かまど、こね鉢、寝台の上も、人の体の上にもかえるがいた。パロはたまりかねてモーセとアロンにかえるの退去を求め、聞かれたらイスラエルの民を去らせると言いました。しかし、かえるがいなくなると、パロの心頑なになりました。

 第三の奇跡は、「ぶよ」でした。原語では「ぶよ、蚤、しらみ、蚊」のいずれとも訳せます。
 第四の奇跡は、「あぶ」で、第五の奇跡は、「家畜の疫病」でした。これらはイスラエル人の住むゴセンの地には起こりませんでした。それは主がご自分の民を特別に護っていることを知らせるためでした。

第六の奇跡は、「うみの出る腫れ物」で、モーセとアロンがかまどのすすを両手いっぱい取って空に撒き散らした結果、エジプト全国の人と獣とに生じました。また、第七の奇跡は、「雷と大きな雹(ひょう)。、第八の奇跡は、「いなごの大群」、第九の奇跡は、「三日間のくらやみ」でした。それは、さわれるほどの濃いくらやみでした。しかし、イスラエル人のゴセンのり地には光がありました。パロはかんかんに怒ってモーセに言い渡しました、「二度と再びわたしに会いに来るな、今度お前の顔を見たら命はないぞ」と。
 しかし、これまでの九つの奇跡は無駄ではなかったのです。パロもその家来たちもモーセを主の信任状によって証しされた非常に偉大な全権大使であると信じるに至りました(出エジプト11:3)。

あなたは主の信任状
 そこで最後に確認したいことは、「あなたは主の信任状である」ということです。《ヨハネ福音書14:10〜12》を見て下さい。
 「わたしが父におり、父がわたしにおられることをあなたは信じないのか。わたしがあなたがたに話している言葉は、自分から話しているのではない。父がわたしのうちにおられて、みわざをなさっているのである。わたしが父におり、父がわたしにおられることを信じなさい。もしそれが信じられないならば、わざそのものによって、信じなさい。よくよくあなたがたに言っておく。わたしを信じる者は、またわたしのしているわざをするであろう。そればかりか、もっと大きいわざをするであろう。わたしが父のみもとに行くからである」。
 主イエス様はこのように言われます。イエス様の中に父を見る人は、イエス様そのものが父なる神様の信任状であると信じました。それが分からないならば、イエス様の行う奇跡が信任状となるのです。「奇跡を見てイエス様を信じなさい」と主は言われます。
 それと同じく、あなた自身も主の信任状なのです。あなたの中に主イエス様がおられるのを人は見て信用するのです。

 これと似たように事を、使徒パウロも言っています、
 「わたしたちは、またもや、自己推薦をし始めているのだろうか。それとも、ある人々のように、あなたがたにあてた、あるいは、あなたがたからの推薦状が必要なのだろうか。わたしたちの推薦状はあなたがたなのである。それは、わたしたちの心にしるされていて、すべての人に知られ、かつ読まれている。そして、あなたがたは自分自身が、わたしたちから送られたキリストの手紙であって、墨によらず生ける神の霊によって書かれ、石の板にではなく人の心の板に書かれたものであることを、はっきりとあらわしている」(Uコリント3:1〜3)。
 つまり、あなた自身がキリストの信任状としてこの世の人々に送られているのです。どうかそのことを心に留めて、主イエス様の救いの恵みを人々に証ししていこうではありませんか。
                                   アーメン
次回予告 12.6.17 過越の小羊(出エジプト12:1〜13)。

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