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                                                 2001年12月23日の礼拝説教
  愛は地球を救う

   ルカ2:8〜14
   Tテモテ2:4〜5
   マラキ4:1〜3                   皆川尚一牧師
愛の交換
  さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番を
  していた。すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らを
  めぐり照したので、彼らは非常に恐れた。御使は言った、
  「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、
  あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために
  救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。
  あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に
  寝かしてあるのを見るであろう。
  それが、あなたがたに与えられるしるしである。
  するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、
  御使と一緒になって神をさんびして言った、
  「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、
  み心にかなう人々に平和があるように」。
  御使たちが彼らを離れて天に帰ったとき、羊飼たちは
  「さあ、ベツレヘムへ行って、主がお知らせくださったその出来事を
  見てこようではないか」と、互に語り合った。
  そして急いで行って、マリヤとヨセフ、また飼葉おけに寝かしてある
  幼な子を捜しあてた。彼らに会った上で、この子について
  自分たちに告げ知らされた事を、人々に伝えた。人々はみな、
  羊飼たちが話してくれたことを聞いて、不思議に思った。
  しかし、マリヤはこれらの事をことごとく心に留めて、
  思いめぐらしていた。羊飼たちは、見聞きしたことが何もかも
  自分たちに語られたとおりであったので、神をあがめ、
  またさんびしながら帰って行った(8〜20節)。

 今から約2000年前、人類の歴史上、他に類例のない驚くべき出来事がこの地上におこりました。それはまさに史上最大の出来事でした。
なぜなら、神が人となってこの世にお生まれになったからです。天地万物を創造し、これを支配しておられる全能の神、無限の知恵と知識を備えた愛の神様が、私たちと同じかよわい人間となってこの地上に生まれたのです。見えない神が見える人となり肉体をとってこの世におくだりになりました。「このかたこそ主なるキリストである」と天使は羊飼たちに告げました。一人の人間の中に無限の神性と有限の人性とが渾然と融合一致しておられる不思議な神秘的人物イエス・キリスト、このかたこそ歴史を造り、歴史を変え、歴史を終らせ、新しい愛の歴史を創り出す史上
最大、最高のおかたです。
 このかたこそ、この地球をすべての罪と悪と悲惨から救い、愛と平和と義の住む世界に立ち帰らせる救い主なのです。 このかたは今から
約2000年昔、12月25日、星の光がますます美しく冴えわたる静かな冬の真夜中、ユダヤの国のベツレヘムの村はずれの洞穴式の馬小屋の中にお生まれになりました。そして寝かされたのは飼葉をいれる石のおけで、しとねの代りにわらを敷いて、布にくるまれて寝かされていました。
それが救い主のしるしであると天使は言いました。
 それはただの目印ではなく、「神の愛のしるし」であったのです。
なぜ万物の主である無限に尊い神様が、天の玉座を離れてこの地上にホームレスの子のような貧しい姿でお生まれになったのか?
それは愛の交換のためでありました。
 すなわち神様ご自身が愛する人間の苦しみと貧しさと悲惨とを味わって私たちに結びつき、私たち全人類の罪を背負うと共に、これを十字架の上にまで運んで帳消しにして下さり、その代りに私たちを永遠の光栄と
祝福の中へと引き上げてくださるためです。
讃美歌98番に歌われているとおりです。

     さだめたまいし 救いのときに、
     かみのみくらを はなれて降り、
     いやしき賎の  処女にやどり、
     世びとの中に  住むべきために、
     いまぞ生まれし 君をたたえよ。

     あさ日のごとく かがやき昇り、
     みひかりをもて 暗きを照らし、
     つちよりいでし 人を活かしめ、
     つきぬいのちを 与うるために、
     いまぞ生まれし 君をたたえよ。

ベツレヘムの馬小屋の飼葉おけの中に宿った小さな愛が2000年後には全世界のすみずみまでも宣べ伝えられて、世界中でクリスマスが
祝われるようになったとは何とすばらしいことでしょう!!
今や、神の愛、キリストの愛は地球をすっぽりとおおっているのです。

憎しみに救いはない
 それにもかかわらず、なぜキリストの愛を受け入れない人々が未だ
少なからずいるのでしょうか。聖フランシスはキリストの愛を思うとき、
「ああ、愛されない愛よ」と嘆きました。
それは人の心の中に憎しみがあるからです。
 今から20年昔のことですか。中国の文化大革命の頃のことです。
中国上海舞踊劇団の訪日公演「白毛女」のバレエがNHKから
放映されました。
 クラシックバレエのテクニックを高度に身につけて、軽やかな踊りを
披露する主演バレリーナの姿は非常に高い水準のように思われました。また、それと一糸乱れずとけ合っている群舞の見事さにも目を見張らせるものがありました。しかし、その演劇のストーリーとテーマには
考えこませるものがあったのです。
 貧農の家に生まれた娘は、父親と二人で悪い地主の搾取と抑圧に苦しめられつつ、耐えぬいていました。しかし、父親は地主の残酷な仕打ちによって殺されてしまい、彼女は奴隷のようにこき使われて虐待されるのです。苦しみに耐えかねた娘は、地主の家から逃げ出して山中に隠れ、
苦悩と疲労のあまり若いのに髪の毛は真っ白に変わります。そして、
白毛女と呼ばれるようになりました。やがて、彼女の村の青年たちが
団結して悪い地主を殺し、共産軍に加わって革命闘争を発展させ、
大勝利を勝ち取るのです。
 このバレエのテーマは、「私たちの心は深い憎しみ恨み怒り復讐に
燃える!」というのです。これが劇の中で何度も繰り返し叫ばれて、農民たちの固い団結と闘争とを盛り上げていくのです。憎しみをテーマにした革命戦争にはどうしても限界があることを感じます。
 現代の中国においても、戦後55年たったのに、なお日本の侵略戦争の罪悪とそれに対する憎しみを子供たちの心に繰り返し植え付ける教育が続けられているのですから、愛の種ではなく憎しみの種をまき続けているわけです。

愛は地球を救う
 これは中国だけの話ではありません。キリスト教国と言われるアメリカやイギリスでも同じです。イスラエルもアラブ人もそうです。どこかで
憎しみの悪循環を断ち切って、愛の好循環に切り替えねばなりません。
その切り替えポイントこそキリストです。キリストの愛です。
そして、キリストの愛によって救われた人の愛です。
 私も戦争でアメリカの潜水艦に兄を殺されたことから、アメリカに対する憎しみが心に宿りました。しかし、神様は日本に来た米軍の将校や兵士たちのクリスチャンにふさわしい愛に触れさせてくださって、私の心の
中の憎しみの氷を溶かしてくださったのです。
 愛とは不思議な生命の力です。愛し愛されることによって、人は死から甦ります。神様の大愛をイエス・キリストを通して受け取った人は、常に
キリストの愛を見つめることで生き生きと限りなく生き続けるでしょう。
死を越えて永遠に!
 人の愛には、色々な形があります。夫婦の愛、親子の愛、恋愛、友情、隣人愛等の色々な形の中に、キリストを迎え入れるときに自分の我欲が清められて、相手の気持ちや立場や意志や願望を大切にして生かしてあげたいという高貴な願いへと高められて行くでしょう。クリスマスは愛の祭。愛は神から出たものだから、どんな小さな愛でも地球全体に広がって行く力があります。愛は地球を救うことを信じましょう!    アーメン

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