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                                                 2002年12月22日の礼拝説教
  ホームレスのキリスト

   ピリピ2:6〜11
   イザヤ53:1〜5
   ルカ2:1〜14                   皆川尚一牧師
ホームレスのキリスト
「そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、
皇帝アウグストから出た。これは、クレニオがシリヤの総督であった時に
行われた最初の人口調査であった。人々はみな登録をするために、
それぞれ自分の町へ帰って行った。ヨセフもダビデの家系であり、
またその血統であったので、ガリラヤの町ナザレを出て、
ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
それは、すでに身重になっていたいいなづけの妻マリヤと共に、
登録をするためであった。ところが、彼らがベツレヘムに滞在している間に、マリヤは月が満ちて、初子を産み、布にくるんで、飼葉おけの中に
寝かせた。客間には彼らのいる余地がなかったからである。
さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照したので、
彼らは非常に恐れた。御使は言った、
「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、
あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主が
お生れになった。このかたこそ主なるキリストである。
あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。
するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、
御使と一緒になって神をさんびして言った、
「いと高きところでは、神に栄光があるように、
地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」 (ルカ2:1〜14節)。

キリストのホームは天にありました。キリストは永遠の父なる神様の独り子として天で生まれた永遠の子なる神様です。そのお方が天の栄光と
安楽のホームを捨てて、わたしたちホームレスの人間を救うために、この罪の世に降って人間となって下さったのです。先ほど朗読した使徒の
手紙の中にもこう記されています。 「キリストは、神のかたちであられたが、神と等しくあることを固守すべき事とは思わず、かえって、おのれをむなしうして僕のかたちをとり、人間の姿になられた。その有様は人と
異ならず、おのれを低くして、死に至るまで、しかも十字架の死に至る
まで従順であられた」(ピリピ2:6〜8)。
 つまり、霊なるキリストはマリヤの胎内に宿って肉体を取って生まれ
出たとき、人間イエスとなりました。「イエス」とは「主は救い」という意味です。「救いぬし」と言い換えても良いでしょう。「名は体を現わす」という諺の通りです。この世に降ることによって、ホームレスの生活が始まったのです。 この世でホームレスになる人々の多くは、自分の罪や失敗とか、他の人のいじめや冷酷な仕打ちとかで、人間関係が破れ、経済的にも
行き詰まるといった原因から始まるようです。 しかし、キリスト・イエスさまがホームレスになった理由は、天のホームに帰れなくなったすべての人を救うために天のホームを自発的に捨ててこの世に来るためでした。

旅から旅への生活
 イエス様のご生涯は、ナザレでの幼少年時代を除いて、
まさに旅から旅への生活でありました。
 (1) ご誕生の時は、ベツレヘムの馬小屋の中でした。なぜそうなったのかといえば、ローマ帝国の皇帝アウグストが人口調査と税金徴収の命令を発したからです。紀元前27年に発せられたこの命令は西方のガリヤで大反乱が起り、これを鎮圧するのに年月がかかったので、シリアまで到達するのに20年かかりました。そして、西暦紀元前7年にユダヤでの人口調査が始まりました。しかし、しばしば反抗的なこの地域では、シリア総督クレニオが民衆から尊敬されて良い政治を行っていたため、反乱が起こることなく、人々はスムーズにそれぞれの生まれ故郷に帰って登録と
納税の義務を果たしました。ヨセフもマリヤも共にダビデ王家の子孫でしたから、二人はベツレヘムに帰って行かねばなりませんでした。ヨセフはガリラヤのナザレからベツレヘムまでの長い道のりをロバの背に揺られていくマリヤをいたわりながら、夕暮れ時にようやくベツレヘムの町外れの羊飼いの野にまでたどり着きました。しかし、町の中の家々には泊まる人々が満ちていて、お産をする場所もない有様でしたから、羊飼が家畜とともに宿る洞穴の一つに泊まることになりました。その夜マリヤは産気
づいて無事に赤ちゃんのイエス様を産み、石造りの飼葉桶の中にわらを敷いて、布にくるんで寝かせました。その夜、神の御子イエス様を拝みにきた初めの訪問者は野宿して羊の番をしていた貧しい羊飼い達でした。
 (2) その後しばらくして、天使のお告げにより、イエス様を殺そうとするヘロデ王の魔の手から逃れ、ヨセフとマリヤはイエス様を連れてエジプトに避難して行きます。
 (3) ヘロデ王が死んだのち、やはり天使のお告げでエジプトを発って、聖家族はガリラヤのナザレに戻って行きます。イエス様はナザレの町で大工を家業としたヨセフの家に住み、12歳まで安らかに成長されました。
 (4) しかし、13歳から30歳までの17年間、イエス様は東方諸国巡礼の旅に出て、エッセネ派のカルメル修道院→ペルシャ(ゾロアスター教)
→シルクロードを通って→インド(仏教・ヒンズー教)→チベット(ラマ教)
→さらに日本まで来られたという記録もあります。そして、ユダの荒野の
エッセネ派クムラン宗団でも修行され、迫害を受けて追放され→ヨルダン川のバプテスマのヨハネの許に姿を現わして水と聖霊によるバプテスマを受け、キリストとしての公生涯に献身されたのです。
 (5)その公生涯はガリラヤ地方で華々しく開始され、何千、何万という人々が押し寄せて来て、イエス・キリストを信じ、病の癒し、悪霊の追放なども盛んに行われました。しかし、ユダヤの宗教指導者たちからの妬みと迫害とによって、イエス様は会堂(シナゴーグ)から追放され、町や村
から締め出され、国外に逃れる他ない有様となりました。この時の有名なイエス様のおことばが記録されています。

「きつねには穴があり、空の鳥には巣がある。
しかし、人の子には枕するところがない」(ルカ9:58)。

 まさに、ホームレスの状態でありました。
そして、主は天父のお示しに従い、エルサレムでの死と復活に向って
最後の旅に上られます。
 十字架の死にいたるまで、天父の命令に従順であったイエス様は、
死後3日目に甦って墓から出現し、陰府にあって主を待ち望んでいた
多くの人々の霊魂を従えて、天のホームへと凱旋して行かれました。
そして、天のホームへ多くの人を引き寄せておられます。

あなたのホームは天に
 皆さん、初めに申し上げましたように、キリストのホームはもともと天にありました。ですから天の父なる神様に従順であったキリスト・イエス様は、地上での使命を果たして天のホームに帰ることができました。わたし
たちのホームも同じです。私たちはもともと天のホームからこの罪深い
人間世界に来て旅をしています。ですから私たちの帰り行くべき目的地は天のホームなのです。イエス様は天に帰られる前、弟子たちに約束して、「天国に家の用意ができたら、あなたがたを迎えに来る」(ヨハネ14:3)と言われました。 なんという頼もしい愛のお約束でしょうか!
 * 大阪梅田駅のガード下に宿るホームレスの「ツネコさん」は、
「私はどこへ行くのでしょうか。私は何のために生きているのでしょうか。〜生きていて良かった、とそう思う瞬間のために私は今を生きている」と告白しています。自分の絵や短歌を喜び、彼女の生を見てくれる人を
求める「ツネコさん」。救主イエス様が見てくれている事を知って下さい。
                                       アーメン

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